小松石ってどんな石?

庵治石(あじいし)が西の横綱石と呼ばれるのに対して、小松石は東の横綱石と呼ばれる石材ですが、横綱石としてどんな特徴を持っているのでしょうか。

小松石とは

マグマが冷えて固まってできた岩石(火成岩)の中でも、中温部分(1000℃)が冷えて固まった火山岩(半深成岩)の中の安山岩に分類される岩石です。一般的には火山岩(急冷)の安山岩、深成岩(徐冷)の閃緑岩が有名で、輝石、角閃石の割合が高くなります。

小松石はわが国の安山岩の中でも、堅硬性(圧縮強度 195N/㎡)、耐久性、耐火力の点においては花崗岩よりも強いという特色があり、日本石材の最高級品のひとつに挙げられています。

小松石の名称の由来は、

現在の真鶴駅の山側にある小松原(小松山)から砕石されていたことによりますが、今日では真鶴以外の産地の石にもその名がつけられるようになったことから、真鶴産の石を特に「(相州)本小松石」と呼ぶようになったようです。

本小松石の最大の特徴は気候や湿度によって石の表情が変り、年月を経ることによって風合いが増すことだと言われています。山から切り出した状態では表面が酸化しているので赤褐色ですが、それを研磨することによって緑がかった灰色になり、独特の艶のあるきめ細やかな石肌が現れるそうです。

色別に分類すると、青・赤・灰の3つに分類され、中でも青が一番高価と言われています。角材にし研磨したものが墓石として使用されていますが、自然石で形のよいものは庭石、記念碑、飛石などに使用されています。

きめの細かい墓石材のため、

繊細な彫刻に向いており、また城の石垣として使われた程の耐久性があることが特徴とされ、良質な石材の代表としての品質を誇っています。

歴史上の偉人のお墓の建材としても数多く使用され、代表的なものとしては「北条氏の代々のお墓」、「2代将軍徳川秀忠のお墓」、「最後の将軍徳川慶喜のお墓」、「大正天皇、昭和天皇の両陛下のお墓」、「歌手の美空ひばりさんのお墓」、「俳優の勝新太郎さんのお墓」などがあるようです。

価格の一例として、8寸角 ¥2,000,000~、9寸角 ¥2,500,000~などの提示もみられるようですが、品質の差も大きいので「石種にこだわるよりも質にこだわる」ことが大事だという考え方もあるようです。

よく「石質が良いほどそれを見分ける目が重要になってくる」ということが言われますが、その意味では「石材加工の職人さんの果たす役割は大変大きい」といえるようです。

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