大島石ってどんな石?
これまで東西の横綱石についてみてきましたが、石材を評する場合に「日本三大銘石」という呼称もあるようです。これは東西の横綱石にもう一つ石が加わったもので、そのもう一つの石が「大島石」ということになります。今日はこの「大島石」についてお知らせします。
この「大島石」は
愛媛県の今治市近郊(今治市沖約3キロ-瀬戸内海)にある伊予大島という島で採石されています。
最近では中国産の青御影石に「大島石」「新大島石」などと紛らわしい名前がつけられて販売されることが多くなったこともあって、「大島石」を「伊予大島石」あるいは「伊予御影大島石」と呼ぶことが多くなってきているとのことです。
「大島石」は花崗岩(角閃石黒雲母花崗岩)に分類される石材で、一般的にはその特徴から「青みを帯びた白御影」といわれ、「庵治石」よりも石目が大きく、飽きのこない、上品で且つ華やかさも備えた、まるで青磁の肌のような石目といわれています。
花崗岩は
マグマが徐々に冷えていった深成岩の中の、さらに低温部分(800℃)が固まってできた岩石の一つで、Naに富む斜長石や、カリ長石、石英、雲母の割合が高くなるといわれていますが、「大島石」はそれらが絶妙なバランスで構成されているため、美しい気品のある石肌の御影石(石の貴婦人)と評されることもあるようです。
特徴としては、
細粒で石質が硬く(圧縮強度: 1.882kg/cm2)、艶持ちがよく、経年変色せず、むしろ年月が経つほど青みが強く感じられるようになるともいわれており、鎌倉時代から南北朝時代にかけて作成された五輪塔にも使用されていることから、「宮窪御影」という呼称もあるようです。
一般的な価格帯としましては60万円~120万円という例が見られますが、一等品・上等品・特上品などいろいろな等級にわかれるため一概にはいえないようです。
どんなお墓であっても
年月に伴い色あせがするものですが、色あせがなく逆に青みが強く感じられるというお墓は、やはり大きな魅力のあるお墓だといえます。
今日は「庵治石」「小松石」についで「大島石」についてお知らせしましたが、やはり共通することは「キメの細かさ」と「経年劣化が少ない」ということに尽きるようです。言うなれば「見た目と丈夫」、これはお墓だけでなく人間にも当てはまる普遍的な基準のようですね。