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庵治石(あじいし)は西の横綱石と呼ばれている有名な石材ですが、横綱石としてどんな特徴を持った石材なのかを調べてみました。

岩石の採掘場所や分類は?

庵治石は香川県高松市北東部の牟礼町と庵治町にまたがる地域で採掘される花崗岩で、正式には花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)と呼ばれ、花崗岩と閃緑岩の中間的な性質を持った深成岩に分類されています。国内における花崗岩の他の産地としては、茨城県の真壁や愛知県の岡崎などが有名です。

深成岩というのはマグマが地下深くで徐々に冷えて固まってできた岩石のことで、更に中温部分(1000℃)が冷えて固まった閃緑岩や低温部分(800℃)が冷えて固まった花崗岩などに分かれます。

成分および特徴は?

庵治石は、花崗岩の特徴と閃緑岩の特徴を併せ持つため、Naに富む斜長石(多め)や、カリ長石(少なめ)、石英、雲母に加え、輝石、角閃石などを成分としており、深成岩に見られる、ほぼ同じ大きさの結晶が組み合わさった等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)という特徴が見られます。

地肌はきめ細かく(結晶が細かい)、その粒子の大きさで細目(こまめ)や中細目(ちゅうこまめ)、中目(ちゅうめ)などに分類されています。硬さは水晶と同じ硬度(圧縮強度:149N/㎡)があるとされ、この硬さと緻密さによって小さい部分の加工がしやすく、磨くほど艶が出るので、古くから墓石として使われてきました。

小さな黒雲母の数が多く、そのため磨くと「班(ふ)」と呼ばれる特徴的な模様(潤いのあるまだら模様)が浮き出て、石の表面が二重のかすり模様を見せると言われています。

結晶が細かいので結晶の膨張や縮小の割合が小さく、水が浸透しにくい(吸水率:0.14%)ので、非常に風化に強く200年は彫られた字が崩れたり、赤茶色に変色したり、艶がなくなったりはしないという専門家もいるようです。

価格帯は?

墓石は和型8寸2段のものが一般的とされていますが、これを基準に庵治石の価格について調べたところ、
安価なものですと工事費込みで100万円からあるようですが、いわゆる庵治石の特徴とされる「班(ふ)」が目立たないものとなるためその良さを発揮できないことが多いようです。

庵治石の細目の価格帯は200万円~450万円とも言われており、高級な品質のものになると300万円以上になるようです。

庵治石は目の大きさで、細目、中目、粗目と分かれますが、その各々には極上、上等、並の等級があり、等級が違うと3~4倍も価格が違うと言われています。お墓が大きくなると、さらに価格が上がり、1億円を超えるものがあるそうです。

高価なのは何故?

庵治石は、中目では比較的筋(キズ)が少ないため大きな採石が可能ですが、細目では筋(キズ)が多いため中目に比べ小さな石しか採石されないと言われています。

それぞれのキズに沿ってキズの無い部分を切り出すため、効率が悪く、採石された石を加工する段階で原石では見えなかったキズ等が出てくる場合もあるようで、製品に仕上がるまでのリスクが他の石種に比べて非常に高いともいわれています。

結晶が細かく、硬度が硬く、さらに厳選された部分のみが使用されるということになると、価格が高いのもうなずけますね。

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